| 回数 | 放送日 | サブタイトル | ゲスト出演者 |
| 348話 | 昭和48年1月3日 | 初春押しかけ女房 | 沢田雅美 山田太郎 |
お正月。三河漫才、羽根つき、獅子舞…八五郎は楽しそうに往来を走り回っている。平次は年始の挨拶に樋口宅へ。しかし、にせ一分銀が出回っているとのことで、正月から御用。そんなとき佐倉から来たという娘、おたみが平次を訪ねてきた。なんと平次の妻になるためだという。驚いたのはお静。人違いとわかったものの、平次の名を騙り、朱房の十手を振り回されては放ってはおけない。平次はにせ平次、飾り職の半次を見つけたが、半次はなんとにせ一分銀を持っていた…。 ※押しかけ女房、来る。 * 平次とにせ平次 平次の家。 お静「えっ、それじゃ半次さん、島送りに!」 平次「島送りか、獄門か、そいつは俺たち岡っ引きの決めることじゃねぇ」 お静「でもそれじゃ、あんまり、あんまりですよ」 平次が出かけようとするとおたみが帰ってくる。 おたみ「ただいまぁ」 平次「おぅ…おたみさん、おめぇもよく聞いてくれ。半次って奴は決して悪い奴じゃねぇ。あの清六のうちで、てめぇの恐さも忘れて飛び込んでいったあの姿を見て、俺は奴の気性に感心した。けどな、おたみさん、お上もはばからず、にせの十手を振り回した罪は俺一人の手じゃ、どうにもならねぇ…また俺たちが預かってる十手というものはそれだけ重いものなんだ。だからよ、そこんとこはわかってくれ、なっ」 おたみ「親分さん、それを承知でお願いします。半次は私の手できっと真人間にしてみせます。どうぞ、今度だけはお見逃しを」 お静「おまえさん…」 平次「出かけるぜ」 お静「おまえさん」 黙って出て行く平次。 番屋。 万七「しかしよォ、平次の奴も気がきかねぇじゃないか」 清吉「そうそう、何たって野郎がいなかったらね、にせ金の糸口は掴めなかったんですからね」 万七「まっ、俺だったらよ、手柄に免じて十手の方は帳消し、それがおめぇ、お上のお慈悲ってもんだ」 八「だけどね、親分、うちの親分だって腹が立ちますよ。平次の名前で女までひっかけちゃったんですからね」 清吉「いいじゃないか、うちの親分なんて男もひっかからねぇ」 八五郎と清吉「アハハハ…」 万七「なんだい!」 樋口と平次が入ってくる。 平次「おう八、…連れて来な」 八「へぃ……(牢屋の前で)おい、半次、お取調べだ。立て……親分」 半次、樋口の前に座る。樋口の脇に平次。 樋口「飾り職人、半次だな?」 半次「へぃ」 樋口「(朱房の十手を差し出す)こいつに見覚えはあるか?」 半次「へぃ」 樋口「おまえが作ったものか?これは何だ?」 半次「へっ?」 樋口「何に使うもんだ?」 半次「いやぁ、ごらんの通り十手でござんす」 平次、ニタッと笑う。 樋口「十手だと?黙れ!十手にはお上で決めた寸法、規格がある」 樋口、平次の十手と比べる。 樋口「これが、十手というものだ。おまえの作ったものはみかけはバカに派手だが、十手でも何でもない。だだの金棒だ」 万七、清吉、八五郎、樋口の意図がわかった様子。 樋口「どうだ、平次、こいつはだだの金棒と思わんか?」 平次「へぇ、ひょっとするとこいつはただの火箸かもしれません」 樋口「はっ、火箸か、ハハハ、たいそう風変わりな火箸だな」 皆、大笑い。半次だけがバツの悪そうな顔。 平次の家。 おたみ、旅仕度をし、出て行こうとしている。 お静「おたみさん、ねぇ、お待ちなさいったら」 おたみ「いいえ、もうほっといてください。あぁ、もうあたし、二度と江戸なんかに来る気しない!こんな冷たいところ、とっても暮らせやしませんからね」 おたみ、玄関を出る。 お静「おたみさん(おたみに続いて出る)」 平次、八五郎、半次が来る。 おたみ「あんた…」 お静「おまえさん」 平次「おぅ、どこへ行こうってんだ、おたみさん」 おたみ「……」 半次「……」 平次「おぅ、おい、おめぇも何とか言ったらどうだい」 半次「俺んちはな、銭形の親分が知ってらぁ、あとで寄ってくんな」 半次、急に走り去る。 平次「おぅ、おい」 おたみ「おまえさん!(半次の後を追う)」 お静「うふふ、おまえさん(平次に寄り添う)」 八五郎、目のやり場に困っている様子。 半次、おたみの肩を抱き、通りを歩いていく。 |
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| 349話 | 1月10日 | わんぱく純情 | 磯村みどり 三島ゆり子 |
今日も庄太は近所の人たちにいたずらをして回っている。万七親分まで庄太の嘘に騙されて怒り心頭。母子家庭の庄太。その母お島も遅くまで料亭で働いているので、寂しさからくるいたずらなのだろう。ある日、庄太は殺人事件を目撃する。日頃が日頃、おおかみ少年よろしく、誰も庄太の言うことを信じようとはしない。しかし、平次だけは庄太を信じた。がその庄太がかどわかされてしまう。 ※平次と庄太の出会い。 櫓の上に庄太がいる。地面に布団が敷き詰められている。 平次「さぁ、坊や、もうでぃじょうぶだ。気をつけて降りてくるんだ」 庄太「うん」 庄太が梯子段に足をかけると朽ちていたため梯子段が落下。 お島「庄太!大丈夫かい!」 庄太「うん、(恐くなり、降りられない)」 平次「さぁ、庄太、ここへ飛び降りるんだ!わかるな、布団の上だぞ」 庄太「こわいよ〜」 平次「目をつぶっちゃいけねぇ、さっ、目をあけてこいつをめがけて飛べ!」 庄太「飛べないよ、降りられないよぉ」 平次「おじちゃんが見ててやる。おじちゃんがついててやるぞ…庄太、さぁ、来い!」 庄太、飛び降りる。 お島「庄太、庄太」 庄太「おじちゃん!(平次に抱きつく)」 平次「庄太」 庄太「おじちゃん、ほんとだったろう?嘘じゃねぇだろう?わかってくれたかい?おじちゃん」 平次「とっくにわかっていたさ、おぅ、俺は坊やを疑ぐったりしねぇ」 庄太「さ〜すが〜」 平次「坊や、見たか、悪い奴は全部捕まったんだ」 庄太「うん」 平次「(万七をはじめ、岡っ引き、捕り方に向かって)見ろ、みんな、子供の心は鏡みてえなもんだ。こっちが歯をむきゃ、向こうも歯をむく。笑いかけりゃ、笑い返してくる。どうしてそれがわからねぇ!わかってやろうとしなかったんだ」 万七、清吉、喜造(岡っ引き)のバツの悪い顔のアップ。見つめ合う母子。母子を優しく万七たちが囲む。 |
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| 350話 | 1月17日 | 三人の牢破り | 森次浩司 森秋子 |
小伝馬町の牢から三人の咎人が逃走。その中のふたり、政吉と仙次は隼組の一味だった。鉄砲傷を負った政吉が飛び込んだのは飲み屋「一福亭」。おかみのおちかは咎人と知りながら、政吉を匿う。隼組だからと謎めいたことを言う。平次は神田界隈に隼組の頭目吉三がいると確信。小間物屋相模屋の裏口から逃走したもうひとりの咎人、五郎吉が出てきたことから相模屋を疑う。一方、おちかの心の中に政吉に対する思いが芽生えていた。 *
久々の夫婦水入らず。 平次の家。平次が晩酌をしてる。 *
ラストシーン 八「政吉はどこへ?」 平次「戻っていくのさ」 八「えっ?」 平次「逃げだしてきた所へ。自分の足でな」 平次の家。 お静「(お茶とお菓子を運んでくる)どうでした?政吉さん」 平次「おぅ、すっかり傷もよくなって、思ったより元気そうだった。あれなら、八丈島までの船旅は耐えられるだろうよ」 お静「八丈に着くのはこの月末ですね」 平次「あぁ」 お静「何年たったら戻って来られるんです?」 平次「ん…まず、三年か五年は戻れめぇな」 お静「そう…おちかさん、見送りに?」 平次「来ていたよ。船が沖の方に見えなくなっても、まだじっと見送っていたよ」 お静「でも、おちかさんなら待てますね。たとえ三年が五年になっても」 平次「あぁ、待てるだろう。きっとな」 平次、お静と顔を見合わせ、庭に降り、盆栽のチェック。 |
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| 351話 | 1月24日 | 女将棋指し | 早瀬久美 |
旅の将棋指し、松尾の文吉が殺された。平次は野次馬の中に気になる娘を見つける。文吉の遺品の中に高価な虎斑の駒があり、それは、先の娘、お香代の父の形見だった。将棋指しだった父親は同じく将棋指しの鬼殺しの大五郎に騙され、殺されたのだ。文吉が大五郎なのか?お香代な廻船問屋浜田屋のお抱え将棋しだが、平次は浜田屋の将棋の指し方から浜田屋に疑いを持つ。 *
平次は将棋がからっ下手? 平次の家。平次とお静が将棋を指している。傍らに八五郎。 *
古女房… 平次の家。 *
ラストシーン 平次「やってますね、お香代さん」 太郎松「いやぁ、お香代さんが稽古をつけるようになってから、大変な評判でな、わざわざ遠くから指しに来る天狗連で大賑わいですわ、アハハ」 平次「そうですかい」 太郎松、天袋から虎斑の駒を出し、盤の上に並べ始める。 平次「おぅ、こりゃ、虎斑の駒ですね」 太郎松「はい。この駒が、考えてみると鬼殺しの大五郎を捕まえたようなもんですよ。金に困った大五郎がこの駒を手放す。将棋好きの間を転々と渡ったこの駒を恐らく賭け将棋で松尾の文吉が手に入れてそしてこの駒を証拠に大五郎を強請ろうとした文吉が殺される。人ふたりの恨みがこもって大五郎が捕まったようなもんでさ。恐ろしいもんですな」 平次「(声を潜めて)おっ、師匠」 太郎松「えっ?」 平次「すいませんが、その素人泣かせの鬼殺しって手を教えちゃくれませんか」 太郎松「え〜、鬼殺しを?」 平次の家。 平次、嬉しそうに帰宅する。 平次「(玄関の戸を開け)おぃ、お静!」 部屋に入る。 平次「おぃ、お静!」 お静「はい」 平次「将棋、将棋」 八「(将棋盤を出して)久しぶりに親分とひとつ…」 平次「相手はおめぇじゃねぇんだ(平次、八五郎をどける)」 お静「じゃ、あのぅ、私ですか」 平次「おぅ、当たりめぇよ、この間の仇討ちだ。今度俺が負けたらな、寿司でも天ぷらでもなんでも付き合ってやるぜ。さっささ…へへへ」 お静「おまえさん、妙に張り切ってるみたいだけど、まさか鬼殺しで私をはめようってんじゃないでしょうね」 平次「はっ?おめぇ、鬼殺しを知ってんのか」 お静「ふふふ…知ってますよ。角道をあけて、いきなり桂をあげていく…でしょ?そんな手、将棋のひとり稽古に必ず載ってますよ」 平次「ちぇっ、何だ、これだからやりにくいよなぁ、全く」 八「へへへ、さぁ、姐さん、代わりましょ」 お静「そう、じゃぁ、私、お茶でもいれましょうね」 八「へへへ…、じゃぁ、あっしがね(八五郎がお静の代わりにすわる)」 平次、ふてくされてゴロ寝。 |
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| 352話 | 1月31日 | 谷中河童横丁 | ミヤコ喋々 東三千 任啓子 |
お仲は大坂から我が子を捜しに江戸へとやって来た。その昔、事情があって小間物屋和泉屋の店先に娘を捨てたのだった。娘を捜すうちに三人のぐれた娘たちと出くわす。その娘たちのした悪さのために羅漢の甚八というヤクザの家に乗り込むはめとなる。そこで何と亭主だった島抜けの仙造と出会ってしまう。仙造は我が子が和泉屋の娘お京と知るや、和泉屋を強請る手段に出る。 *
大事な務めのひとつ 平次の家。長火鉢の前に平次。お静はお勝手で後片付け。 *
ラストシーン 平次「見たかい?」 お仲「お陰さんで。おおきに」 平次「いい花嫁だったな」 お仲「親分さん、申し訳ございません。ご親切な方に拾って頂いたら、あの娘(こ)は幸せになれるやろと思って…よくよく考えた上のことです。子供を捨てたむごい親には違いございません。泣く資格もございません。でも親分、今日だけは泣かしてもらいます。嬉しいんです。嬉し泣き…嬉し泣き…泣かしてもらいます」 お仲、泣く。平次、お仲の顔を見つめ、そして和泉屋の家を見る。「さぁ」とお仲を促しふたり、相合傘で去る。 日本橋の袂。青空が広がっている。旅姿のお仲、おきん、おけい、お市が居る。見送る平次、八五郎、長屋の人々。 お仲「親分さん、いろいろお世話になりました。ほな、みなさん、これで(お仲たち頭を下げる)」 平次「もう、思い残すことはねぇだろうな」 お仲「はい、お陰さんで。あの娘の代わりにこんな極道娘の三人も出来てしもて…この娘たちをまともにして、親御さんのところへ返すというのは頭の痛いことですわ」 平次「(三人娘に)聞いたかい?あんまり世話をやかせるんじゃねぇぜ…さぁ、ゆきな」 お仲「どうも」 河内音頭を唄いながら、お仲と三人娘が日本橋を渡っていく。長屋の人々も河内音頭を唄っている。かなりの大声なのだろう、八五郎が片耳を塞ぐ。お仲たちのアップ。 |
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| 353話 | 2月7日 | 狙われた町奉行 | 吉田輝雄 桜井浩子 江見俊太郎 |
屋台で一服していた平次と八五郎。島帰りの又造がいきなり転がりこんできて「町奉行が殺される」と言って息絶えた。町奉行が殺されるという瓦版まで出回る。咎人の奉行に対する逆恨みか。平次は妙に町方に挑戦的な火盗改めの川辺英ノ介が気にかかる。 *
お兼の本心。 平次の家。平次が帰宅。 *
ラストシーン 平次「服部様、私をお斬りになさいますか」 服部「斬る(刀を構える)」 平次「服部様、樋口の旦那はあなたのことをまだ、お奉行様の耳には入れてねぇんで」 服部「何!」 平次「せめて侍らしく、身を処してほしいと願っている。その願いはあっしも一緒だ…もう申し上げることはありません。それでもとおっしゃるなら、この平次、お手向かいいたしません。どうぞお斬りなさいまし」 平次、服部に目を据えたまま、一歩一歩服部にせまっていく。後ずさりする服部。とうとう刀を下げる。なおもせまる平次。服部、平次に背をむけ、走り去る。途中で立ち止まり、思い詰めた様子。 番屋。 樋口、落ち着かないようすで番屋の中をうろついている。そこへ平次。 樋口「あっ、平次!服部さん、やっぱり侍らしく奉行所の門前で切腹したぞ」 平次「服部様が!」 樋口「いいにくい事だが、よくその気になってくれた。平次、一件落着とも手向けの酒ともつかねぇが、一杯やるか」 平次「お付き合いさせていただきます」 樋口「そうだ、川辺さんも誘おう」 ひょうたん。 川辺英之介、樋口一平、平次が卓を囲んで酒を飲んでいる。お互い無言でなんとも静かな酒盛り。 樋口「おい、酒」 おゆき「はい、ただいま」 |
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| 354話 | 2月14日 | 万七子連れ唄 | 弓恵子 穂積隆信 堺左千夫 |
江戸を荒らしまわっている疾風組。その一味、松造の隠れ家を突き止めたものの、松造は刺されていて虫の息。平次はどうも情報が漏れている気がしてならなかった。そんなとき、万七は身投げ女、おとよを助け、自宅に預かっていた。しかし、おとよは、昔、疾風組の弥助の女だったのだ。万七から情報を得て、疾風組に流したのだろうか。そして、疾風組の源兵ヱを捕えたが、万七の息子、万助がかどわかされた。源兵ヱを解放さなければ、万助の命が危ない。おとよは万七の気持ちに報いるため、単身、弥助のもとへ乗込んだ。 | |||